自宅でできる藍染め


8月、盛夏は藍染めの時期。


青々と生い茂る藍の葉は
触れるとその生命力を分けて貰えるような気さえしてきます。


藍は、葉や茎からあの藍色の染料を取り出せるのですが
染めるための液体を作るのには、一筋縄では身につけられない技術が必要。
そのため、市販でも簡単に染められる染料が売られています。


これは家庭でも使える染液(液体の染料)です。


染料は割と気軽に購入できるのですが、種類も多く、善し悪しも様々。
その中でもおすすめをお伝えしたいと思います。
小学生のお子様でも楽しめることを保証しますよ!



 

1.市販の染料で染める~藍の話~



市販の染料は画材店で売っているのはもちろん
手芸材料を取り扱う店舗にも並べられていることがあります。
藍色を染めるのは「インディゴ」という染料。
これらはたいてい、化学的に造りだした人工染料です。


私からおすすめしたいのは化学合成品ではなく、天然藍から作られた濃縮液。


「天然藍濃縮液」


簡単に言ってしまえば、植物から取った藍染め用の染液を真空パックにしたもののこと。
しかし先ほども述べたように、この染液を作るのには
高度の技術と時間、そして手間がかかります。


そもそも植物染めの藍染めというのは世界各地に存在しています。
藍色の染料を持つ植物の種類も各国それぞれに沢山あるのですが、
日本で江戸時代に大流行したのは徳島で生産されていた阿波藍と呼ばれるもの。
阿波藍は、タデ科のタデアイという植物を使っています。


このタデアイの葉を、乾燥+発酵させたのがスクモと呼ばれるもので、
さらにこのスクモを灰汁等で発酵(=藍建て)させた物が藍染め用の染液となります。


2度の発酵には、時間も手間もかかるため
藍の葉や茎から家庭で藍建てするというのは現実的ではありません。
(好きな人はもちろんやってみてもOK!)


また、藍は空気に触れて酸化させることによって初めてあのブルーが出てくるため
真空パックに詰めておけば、染液をある程度保存することが可能なんです。


時間短縮にも繋がるし、藍の面倒を見るために予定を変更するなんてこともない。
家庭でお子さまと一緒に染める時などは準備も片付けも楽にできます。


市販の染料、特に天然藍濃縮液は
簡単に藍染め体験をするのにとてもお勧めできる方法です。



 


2.お子様でも簡単にできる 藍の生葉染め




濃縮液はとても簡単にジャパンブルーが染まりますが
前述の通り染料を作る工程をほとんど飛ばしてしまいます。


個人的に濃縮液よりももっとおすすめしたい藍染めは、生葉染め。


タデアイの葉を摘み取るところから始めるので、夏場しかできません。
ですが、どうやって布に色が付いているのか、植物にはどんな力があるのか、どんな色や模様に染まるのかなど、想像力と創造性がより高まります。


ただし、濃縮液のように濃紺には染まりません。
発酵させていない藍の染料は、若々しい緑がかったブルーになります。
また、動物性タンパク質に良く染まるため、染める布は絹が良いでしょう。
木綿や麻は、その時には染まっても、後日色落ちしてしまいます。


注意点は濃縮染料よりも少し多いですが
染色材料を収穫するところから、布に色や模様が付くところまで
すべてを自分の手でできるというのは、最高の経験になると思います。



そんな生葉染めをご家庭で行う時の手順を簡単にご紹介。


藍の葉を摘む

ミキサーで荒く砕く

漉し袋に入れて漉す

え染める

洗う

乾かす

クエン酸(または酢)で色留めをする


ミキサーは食品用のもので構いません。バーミックスでも可。
タデアイは苦いけれど毒がある植物ではないし、天然の植物しか使用しないので
そのミキサーを後日食事用に使っても何の問題もありません。
(多少、藍色が残るかもしれませんが)


砕いた葉を漉すのも、染めて乾かすのも、とても気持ちがいいもの。
川や海で水遊びをしているような感覚になれます。
ただ、前述したように動物性タンパク質によく染まるため
素手で行うと1~2週間は指や爪が青いままになりますのでご注意下さい。
(私はなりました…)。手袋必須!


※生葉で木綿などの植物繊維を染める場合は下処理が必要となります。




3.豊かな自然が産み出す色

 


家庭で出来る2種類の染色方法を簡単にご紹介しましたが、どちらにも必要なのが多量の水です。


染液を作るために水がいるのはもちろんなのですが、染めた布を洗うためにも大量の水が不可欠。
染料は繊維1本1本にまで染み渡りますが、どうしても余分な染料が出てきてしまいます。
家の洗濯機で洗濯をした時に、色移りをして大惨事・・・なんて、想像するだけでげんなりですよね。
この事態を避けるため、余分な染料をしっかりと落とす必要があるのです。


紺屋(染色専門店)が沢山あった時代は、近くの川で布を洗っていたと聞きます。
江戸・東京の町中でもそれは同じ事。
日本に川が沢山あり、毎日きれいで新鮮な水が流れていたからこそ。豊かな日本の染色文化が積み上げられたと言えるでしょう。


視覚、触覚、嗅覚など、全身を使う藍染め。
機会があったらぜひ挑戦してみて下さいね♪



※天然藍濃縮液は、染色材料店で販売しています。


 

左が生葉で染めたインドシルクのストール
右が天然藍濃縮液で染めた絽の帯揚げ

 

 

 

 

 


 


2017年09月12日