冬物コートいろいろ

和装用のコートには様々なバリエーションがあります。
購入を検討していたり、冬のおしゃれも楽しみたいと思った方
そんなにあるなんて知らなかった!
という方はこちらを参考にしてみてください。



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1.袖付きのコート


■羽織

着物のように襟を打ち合わせず、襟の端と端を羽織紐で結んで固定します。
襟を打ち合わせないので、着物の帯が見える状態になります。

羽織は洋服でいえばジャケットのような感覚で着られるので
茶席等以外では室内で着ていてもおかしくないと言われてきました。
が、最近では室内で脱ぐことも増えました。
塵除けや防寒を目的とした役割のほうが重視されている
などと言われますが、
きっと昔よりも室内で暖かく過ごせるようになったからだろうと思います。

羽織の丈は腰あたりのものから膝丈くらいのものまで種類があります。
丈の長さも時代によって流行があり、昭和の前半では丈が膝上のものが
平成に入ると膝下丈の長めのものがメジャーです。


■道行(みちゆき)と道中着

どちらも襟を打ち合わせる外着で
襟の形が四角いものを道行、
着物の襟と同じような打ち合わせのものを道中着と言います。

羽織も道行も道中着も素材は殆ど正絹ですが
ウールのバリエーションが増えました。
特に襟の形に特徴があり、
ブラウスの襟のような丸襟や、大きなシルエットのロールカラーなどがあります。
インターネットで「和装 コート」と検索すると
色々な種類のウールコートを見ることができますよ。


■男性用コート

男性用にも道行コートや角袖外套などがあり、やはりウール素材が増えました。
角袖はその名の通り着物のような角ばった袖が付いていて、襟もワイシャツのように四角いものが付いています。

余談ですが、道行コートはもともとは江戸時代に医者や易者が着ていたもので
特定の職業(男性)をあらわす上着だったようです。
しかし、現代では男性の道行コート姿はほとんど見かけなくなりました。




以上の羽織、道行、道中着、角袖外套は
どれも袖がついているコート。
着物と同じように袖がついているため
オシャレとしての着物の印象を崩しません。

一方で袖が付いていないコートもあります。



2.袖なしコート


■ケープ

マントのように羽織って首下で留めます。
長さは短く胸元ぐらいのものからウエストくらいのものまで。
袖がないので防寒性についてはなんとも言えませんが
脱ぎ着がしやすく形に可愛らしさがあります。


■ショール

いわゆる肩掛けで、ケープのような留め具はありません。
もちろん袖もありません。
寒がりの私はすっぽりと覆われたいので
和装用ショールよりは大判のストールを使うことが多いです。


■男性用

俗に「とんび」と言われるコートがあります。
袖なしコート+ケープのような二部式構造になっているもので
幕末にヨーロッパから伝わり、明治中期ごろから一般的になりました。
女性のケープもそうですが、この形は日本の蓑(ミノ)のようなので
昔の人たちにも馴染みやすい形だったのかもしれません。

また、着物の丈と同じくらいの長さのマントも、和装用コートとして存在しています。




ケープ、ショール、とんび
などの袖なしアウターは可動性が大きく
洋服でもアウターとして使うことが可能。
便利なコートと言えるでしょう。



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いわゆる「コート」は、幕末に外国文化として輸入されて広まったものです。
江戸時代の浮世絵を見てみると、雪が降るような真冬でさえコートを着ている姿はほとんど見かけません。
上着を着ていても、羽織か半纏または丹前です。

寒いときには外套(コート)を着るのではなく、きものを重ね着して帯を締める
というのが普通だったようですね(重ね着する着物があるほど裕福だったらの話ですが…)。



今やコートでもおしゃれができる時代。
グレーや黒といった地味な色が多いですが、シルエットのバリエーションが多彩です。
真冬の和服コーディネートを考えたり
洋服で使う小物(マフラーや手袋なども)を和服に使ってみたり
重ね着、アレンジなどを試してみて、
ぜひ冬のおしゃれも楽しんでください(*´∀`*)ノ。+゚ *。

2016年11月28日